自慰散歩
花形新次

左ポケットに穴を開けた
ゆったりとしたズボンを履いて
黄金の左手を突っ込めばいつでも
直接触れられるようにしておく

朝の渋谷センター街
行き交うOLやギャルのなかで
これは、という娘を見つけたら
微かに香りが感じられるぐらいまで
傍らに赴いて
高速スピードで左手を動かす

出来れば、人待ちの娘が好いのだが
あまり密着マークをすると
キモがられること120%なので
長くてもひとり5分以内と決めておく
行為中は
さりげなく
そよ風のように
さりげなくを心がける

誰に触れるわけでもない
わいせつ物を陳列するわけでもない
ただひとりさわやかな気分になって
充実した一日を過ごすために
朝の散歩は欠かすことができない


自由詩 自慰散歩 Copyright 花形新次 2012-04-18 21:37:20
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