楽園
terada takeharu

楽園を捨てて生命を買った
楽園を捨てて祈りを買った
時間が動き出した

楽園を捨ててケガレを買った
楽園を捨ててお金を買った
減り続ける自分自身
無限が嫌になって吐き出してもらったんだ
光のある場所で恋をするために

行ったり来たりの様々な場面ですれ違う人達と
にやにやしながら言葉を交わす
「永遠や無限や普遍」を探す男達について
「殺し合い」に躍起になる男達について
コントロールできない自分自身に呆れて
身を投げる人達
南国の夕陽に照らされて拳銃自殺する奴は
究極の冗談を買ったんだ

きらきらと輝いてドロドロに汚れて
黒い犬のようにみんな生きている

そして終末の音楽が鳴り響き
エンドロールが顔を舐めまわす
我が我自身を完璧に支配できたとしても
最後に幸福な「END」は訪れない
映し出される二文字は

楽園



自由詩 楽園 Copyright terada takeharu 2012-04-18 18:19:32
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