クロッカス
砂木


スコップの目覚まし時計

雪が情熱で溶けるのは冬
つける薬を 欲しがるのは春

わびる氷 くびれ揺れる水のフレア
に 後ろ手で そくっと映し見る

白く なだけはなれなかった
夜の紫
光の黄色
朝焼けの赤
記憶をつなぎとめて

土の癖に汚れない
殻のまま 泥をすすり 雪で洗い

見知らぬ暖かい羽ばたきの風
さもなくば そうっと
触れずに包もう 

あなたを









 


 




自由詩 クロッカス Copyright 砂木 2012-04-15 23:14:09
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