時間少女
マーブル
時間少女は宇宙浴槽のなかでうたた寝
水浸しの朝はシャンパン雨のなか
ブーツに子猫がいて可愛がっている
見えない月をおもいながらはしゃいでる
桃色のブランコ漕いで黄昏の光景のなか
滲んでいるきみを仰いでいる
雲の切れ間から太陽のタンバリンを
目の奥やきつけて
流星のしっぽに乗ったら
終わらない世界の夢みている
ミモザに聞いた風の在り処を
風は見えないからいつでもいてくれるんだって云う
時間少女はいつも懐中時計をぶらさげて
こんなことを考えている
焼き立てのパンの匂いがする間の時間は
オカリナを吹く時間にしようって
もしも雨が降ったらベッドの下に隠れている
手紙を読み返す時間にしようって
生憎時間少女は箒に乗れないし
天使にもなれないって知っているから
せめていつも優しくいてくれる
時間だけは信じていようと決めたんだ
時間はいつでも抱きしめてくれるのを
知っているから
時空を超えることは出来るか
それはまだわからないけれど
太鼓の音が響き渡るからだの奥って
針がチクタクするのと同じなんだって
鏡に映ったものの方が本物だなんて
知らないけれどたまに思うんだ
呼吸は時間だから止まらないんだ
それを止めようとする人は時間少女は
大嫌いなんだとコロナおじさんに溢す
ねえいつも時計は外さないよ
心の時計も外さないよ