薄明かり

 明かりは、石造りの壁を正確な長方形にぶち抜いたとでも言おうか、これが出入り口となるものらしい---ところから漏れていた。その出入口の横に、ちょうどその壁に当てはまるような鉄製の・・・ああ、これが扉なのだろうか。構造は僕の家の物とほとんど同じなのだけれど、かなりの正確さで造られている。茶色に、焦げたかのようにほとんどが変色している。僕はその扉であったであろう物の近くまで歩き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 絶句した。
 ここは洞窟なんてものじゃなかった。
 ここは、「超高層ビル」の一角。
 ここは、旧人の作り上げた無駄に高い建造物。
 ここは、僕が見上げていた「塔」と勘違いしていたもの。
 「ぶち抜かれた長方形の出入口」から下は、霞んで見えなくなっている。
 そこから下は、何もない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・怖っっっっ!!!
 四方八方見渡しても何も見えない。煙幕のようにどこも霞んで見えなくなっている。
 天気が悪いから・・・・?
 そんなわけないか。
 僕は恐る恐る後ろに歩いて行って・・・何かにぶつかった。
 何・・・?
 ふっと、振り返ると鳥の人が立っていた。まさに棒立ち。僕が。
 赤い瞳。目を逸らせなくなる。
 そして、彼は唐突に言った。
 「なんだ、生きてたのか。」
 そう言ったきり、彼は地面に後ろ向きにぶっ倒れた。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・怖っ!
 喋れるんじゃん・・・。




<to be continued.....>


自由詩 薄明かり Copyright  2004-12-04 17:10:19
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