礼儀作法
HAL
おいおいそんなに簡単に
孤独になりたいなんて言うなよ
孤独はそんなに親切じゃないぜ
きみが想う程やさしくもないぜ
きみは親しくつきあえると想っている様だけど
孤独にだってね 選ぶ権利はあるんだよ
独りきりになることと孤独は違うんだよ
きみはどうも勘違いをしている
どこが違うって
そんなことも分からずに
孤独になりたいって言ってたのかい
いい加減にしろよ
その位は分かってから
孤独になりたいって言えよ
きみは孤独に対して余りに失礼だ
どうしてもその違いを教えて欲しいって
じゃあひとつだけだぜ
独りきりなら泣いてもいいけど
孤独になったら泣いちゃいけない
笑うんだよ
孤独な自分を笑い飛ばすんだよ
それが孤独に対しての最低限の礼儀なんだよ
ついでだからもうひとつ覚えておきな
絶対に何が起こっても
孤独を言い訳につかわないこと
これはとても重要な礼儀というより
作法だからねどんな時も忘れるなよ
でもきみは怖らくだけど
孤独の審査には通らないと
ぼくは想うんだけどね
余りにきみは辛酸や切なさや悲痛を
舐めて生きてきたしいまも生きている
孤独の審査にパスした奴等はみんな例外はなく
悲しみや心痛や痛苦と戦っているんだよ
戦いつづけているんだよ
もちろん孤立無援でね
援護射撃なんて誰もしてくれない
もちろん期待もしていない
孤独はきみがそんな戦場に立てる
人間かどうかを見抜くんだよ