抽象に雨もふれば
アラガイs


…それから劇場が宙を舞うように…
なんて、素敵な気分を味わえば
タキシードだって欲しくなる
一日を斜めにはしる雨
煙をまく緑芝の匂い
車道から電車通りを直線に過る
いつもの美術館はひっそりと佇んでいた。
考えてみても、直立した彫刻のまえで座り込むコンポジションな僕
端からみれば放蕩貴族なそいつ
魚の鱗から瞳を抉り出すような猫の昼間
(さあ、今日は//雨//雨//
/雨//慌ただしく横断を飛沫する
硝子に遮られた境界の雲線
)余裕でも眺めにデパートへ行こうか
「衣」「食」「住」
濡れない、傘の下から覗く遊ぶ街
すれちがう手と足が距離を弛緩する点と線
下着売り場が白く輝いてみえた午後
」気づけば窓は公園の外れ
入り口には誰もいない
濡れた猫は薄い陽を浴びている
、迂闊にも、トルソー的な歩みが原色を撒き垂らし…
…矢印に沿い
引き返す、微笑みながら
、歯朶は子供たちの葉陰にゆれて
放たれた傘は、すでに閉じていた 。










自由詩 抽象に雨もふれば Copyright アラガイs 2012-04-11 08:31:08
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