自然と世界
一 二

人と動物は
同じ自然を過ごしてはいれど
同じ世界には住んではいない


例えば今から
ここから一番近い
公園や広場にいったとする
そこに鳩の群れがあるとする

あなたを美しい女性としよう
あなたが鳩の群れに向かって走れば
鳩は飛び立つ

どんなに人から見て美しくても
鳩は何とも思わない
意に介さない
住むべき世界が違うのだ


次の例えは
もっと規模を大きくしてみよう

オニヒトデは
繁殖する環境や要因が整ったから
大量発生しただけだ

大量発生した原因は
自然のサイクルかもしれないし
人間の環境汚染が原因かもしれない

とにかくオニヒトデは
種の本能に従い
弱肉強食の掟に従い
珊瑚を補食しただけだ

しかし人の価値観から見て
醜いオニヒトデが
美しい珊瑚礁を荒らすなんて
人間様の逆鱗に触れるのだ

どんなにオニヒトデが掟に従おうと
人は絶滅させる気概で駆除する
生物多様性なんて人間様の基準なのだ


神は何故
住む世界を分けたのだろう

私たちは外の世界を知らぬまま
歴史を紡いだものだから
誰も彼もが
お節介焼きの
世間知らずの
図々しい奴だ


自由詩 自然と世界 Copyright 一 二 2012-04-01 08:54:29
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