mooring snow
hhhma

腐敗するモノの向こう側に
生命を見出したくて

窓際にずっと
リンゴを置いていた彼は

リンゴの腐敗と
それを肥しにして、生まれる
蛆虫を見て、それから、悔しそうに、死んだ

僕はそれを
どこか しらない土地に降り積もる
只降り積もる 雪のような

どこか しらない土地に湧いた
小さな泉に広がる 波紋のような

そういった
静かな微笑のように、感じたのだった

そういった
駆け出したくなるような衝動のように、感じたのだった

空というものは とても遠い


自由詩 mooring snow Copyright hhhma 2012-03-31 16:54:42
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