チェロ型のロボット
朝焼彩茜色

朝 バッロクを起こし
  チェロ型のロボットにコーヒーを入れてもらう

  愛情溢れる 故 また溢れさすだろう
  無糖ながら 甘く 優しい 蜂蜜香りの マグカップの静けさ漂う 湖

  憩いの小鳥と共に のどを潤す


予測とは 裏腹の現代を バロックと共に暮らしている

チェロ型のロボットは 体に似合わずDJだ ハードハウスは お手の物


幼き頃
 時代に乗り遅れるなと 父が言った

ゴーイングマイウェイの私は
 高次元のカラスの羽をかすかにもらい
 黒光りする 賢い墨をつけて

 いつも筆をとった

 ハンディフォンより
 わざわざ人に会いに行った

 メールをするより
 小さな絵画を貼り付けて 永遠に残る 紙々を送りつづけた


今を生き始めて
 今の時代を愛し

  どうであれ 
  
  時代に乗り遅れるなんて ない
  皆 最先端の空気に 微笑まれていると 夢にも 誓いたい
  憩いの小鳥と共に 深呼吸する


朝 バロックを起こし
  チェロ型のロボットにコーヒーを入れてもらう

  ゴーイングマイウェイの名残香る 無糖ながら 甘く優しいコーヒー

今もなお 私はロボットと暮らしている

体から バッハを奏でている

私は チェロ型のロボットと幸せに暮らしている


自由詩 チェロ型のロボット Copyright 朝焼彩茜色 2012-03-30 12:16:37
notebook Home 戻る