詩の時間
梅昆布茶
僕のなかには日常とは違った時間が流れている
それを詩の時間とでも名付けようか
遠いところからやってきた亡くした妹の様に
僕の本当の名前をささやいてくれるもの
日常がすべて散文的だとは限らないのだが
そのなかにひそんでいるかも知れないキラキラした結晶を見つけるのが好きなのです
希少金属を発見した鉱物学者のように小躍りしつつ
ココロに書きとめるのです
昨日散文的な女友達からmailがあって
どうしてる元気?的な
フツーのやつ
蠱惑的で自堕落で退屈なデートもいいけれど
いつも雲散霧消してしまうあれってさ
結局何も解消してはくれなくていつも
噛み終わったガムのように吐いて捨てるしかないのさ
すべての日常がラップのリズムにのせられはしないのだし
出来事すべてを定型詩では伝えられない
路地裏でたむろしていた世間話のいなくなったあとに
缶蹴りして遊ぶ童子達のように
世界を引き寄せて糸を紡ぐそして
哀しみや戸惑いや慈しみとかちょっとした喜びなんかを織り込んで
今日も不出来なタペストリーを
織り上げるのだね
それくらいなら君はゆるしてくれるよね?