地獄の雷
yamadahifumi

溶けた陽の苦い味を
お前の舌は知っている
人々の凍った冷たい太陽を
今、大鴉達が一斉に温める・・・
黒鳥の群れに希望を見て
画家は一筆のデッサンを描いた
子供達のブランコには死霊が乗り移り
俺の両手には目玉が一揃い並び・・・
それも愉快な光景だと
神々の哄笑が叫ぶ
「お前達に残された時間はもうない・・・一刻の猶予も」と言う
未だ存在する事を許された神々が
「黒板」の消し炭によって消される日・・・
阿呆鳥は西へ、西へ・・・
俺の魂は東へと飛ぶ・・・
全てはうらびれた風の中
一枚の木戸の戸となって終わるだろうさ・・・
風に揺らめくガタピシするその音・・・
世界は救われたのだ・・ 今ここで
暴虐と殺戮の中に救いを見よ
したらば君の本性が夜の内から蘇ってきて
君を抱くであろうから・・・
俺の魂は・・・そう・・・
凍ったまま西南戦争で使われる
イカれた地獄の雷を
神々の乱舞する夕べに叫びながら


自由詩 地獄の雷 Copyright yamadahifumi 2012-03-28 09:51:36
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