【 エロスとタナトス 】
泡沫恋歌

肩に掛かるキミの髪をかきあげて
白いうなじにくちづける
甘い女の匂いがした
潤んだ瞳で切なげにボクを誘う
やがてその身をまかせ
ボクはその肌で儚い夢をみるのだろう
たとえ許されない恋でも
快楽だけの愛でも
ボクはキミの海に溺れている
この愛は痛みにも似た苦しみ
エロスとタナトス……


  『 愛はすべてを奪うこと
        そして支配すること 』


ずっと年上のキミは
ボクと同じ刻ときを生きられない
ふたりの間に横たわる河を
ボクは渡っていけるのだろうか
時間ときがキミを汚さないうちに
美しいままのキミを奪ってしまい
そして心のネガに焼き付けよう
永遠に色褪せないように
ボクの愛する人を
この手で冥界へさらっていきたい
エロスとタナトス……


  『 死は美しき崇拝
        そして完全なる終焉 』



自由詩 【 エロスとタナトス 】 Copyright 泡沫恋歌 2012-03-27 08:01:57
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