マラソン大会
壮佑

一年生と合同で走った
スタート直後はなんと最下位
結果は三十九人中で三十番

「二年生なのに情けない」
パスタランチを食べながら
お母さんとお婆ちゃんが嘆く

「十人ぐらいぬいたよ」
キッズランチを食べながら
きみは抗議をしている

「がんばって走っていたぞ」
やっぱりパスタランチのぼくは
一生懸命きみの肩を持つ

内心では来年に向けて
星一徹ばりの鬼コーチに
変身する決意を固めているのだ

窓から海が見えるレストラン
貨物船がゆっくりと横切って行く

「でっかいなあ」
「どうたいのしたがまっ赤!」

貨物船を見送って
食後のコーヒーが来て
鬼コーチの件は
きれいさっぱり忘れてしまった





自由詩 マラソン大会 Copyright 壮佑 2012-03-25 20:49:30
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