寂色
藤鈴呼

梅の花を 数えよう
生まれた 花びら達を
目の前に ちりばめて
踏みつけることの ないように
腐臭にかわる その前に

チンチロリンが 聞こえる季節に
肌官房の木々をみて
寒々しい 思い出の欠片たちを
ぺりりと 引き剥がす
片手には ポカリではなく
ペリエもって

ホットケーキが 食べたいな
いつか 焼こうね
でも アナタ
バターが キライと 言ったじゃない
最初は 何も 言わなかったわよね
私の作るもの 何でも
美味しそうに 租借して 暮れたのに

ネタの下に 何を流そうか
迷っている内に
ソレは ネタではなくて タネですと
訂正をされて 仏頂面
仏像の下で 明かりに打たれて
しなだれる
しょぼくれる

最初は 私のだったんですよ
この 自転車も
見上げると笑う 空と
おんなじ色だったんですけれども
海沿いだからですかねぇ
生み色に 変わってくれれば
良いものの
最近は 専ら 有名ですよ
実から出た 寂色 なんですって

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自由詩 寂色 Copyright 藤鈴呼 2012-03-24 16:26:49
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