覚えてない
竜門勇気


どっかのホステスの
脇の匂い嗅がせてもらった後
誰かに土下座して
そんでもう覚えてない

変な椅子に座って
喋っていたんだって
星が綺麗だった日の話を
熱心に話してんだって
俺が

クソみたいに怒鳴られて
ゴミみたいに優しくされて
いい気分になってた

どっかの女に
話しかけてて
胸倉掴まれた後は
覚えていない

玄関の前で
よく寝てたんだって
瞼の裏で旅した銀河を
懐かしそうに話してたんだって

クソみたいに流されて
ゴミみたいに扱われて
人並みに責任ばかり鞄に溜まってく
そんでもう
重荷を下ろせる場所で
やっと振り返れても
なんも覚えてない

のは多分
自分のせいだ


自由詩 覚えてない Copyright 竜門勇気 2012-03-22 08:46:16
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