まーつん

鳥は鳴く
誰も聞いていなくても

鳥は鳴く
木々の梢から
光あふれる 林冠の隙間から

まぶたの裏側に赤く滲む
陽光の温もり
鼻をくすぐる 芝草の匂い
シャツの下で身じろぐ 数匹の蟻の感触

鳥は鳴く
黙ることのない
路傍の石の代弁者
翼をはやしたスピーカー
二日酔いの男たちを ベンチで悶えさせながら

鳥は鳴く
君の耳元で
ベランダの手すりで
時に もつれ合って喧嘩しながら
時に まだ見ぬ連れ合いを探しながら

鳥は鳴く
悲しい時に
驚いた時に
求め合う時に
季節を感じた時に

鳥は鳴く
誰も聞いていなくても


自由詩Copyright まーつん 2012-03-17 22:53:05
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