友人
壮佑


ゴルフ焼けしたいい親父になった
今では大阪の営業所長さんだ

―僕らの音楽を理解してくれる人は
 この広島に一人か二人ってところだ
 だけど これだけは確実に言える
 僕らは凄いことをやっているんだ

チラシやポスターを手作りして
小さな画廊でフリー・インプロヴィゼーション
聴きに来た十人は八人までが仲間内だった

あれから四半世紀
今も君の言葉を覚えているよ
話の合間に伝えたかったけれど
列車の時刻が近付いた

―これでもう会うことはないかもなあ

帰り際の友人の言葉に
それもまたよしと思った






自由詩 友人 Copyright 壮佑 2012-03-12 20:57:25
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