狂犬の叫び
yamadahifumi

遠く明け方の

足音がする今宵

お前の涙はまるで

夜をつんざく狂犬の叫び

人々の声は薄明に似て

全てを薄ぼんやりと包んで行き

"俺"と"俺"を剥離させ

やがて一個の他者へと還す・・・

それを不服だとは言わないが

せめて自分の尻を拭くくらいは

自分の手でやらせて欲しいものだ・・・

全てを他人にあずければ

即ちどれが"俺"かが分からなくなるから・・・

遠く明け方の

足音がする今宵

お前の涙はまるで

夜をつんざく狂犬の叫び


自由詩 狂犬の叫び Copyright yamadahifumi 2012-03-12 10:44:31
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