ひとり
桜 歩美


息子と向き合って生きていくこと
誰にも頼らずずっとやってきた
知らないうちに様々な人の思いやりを受けているとも
気がつかずに
ただひとりきりで育てていると思っていた
息子は私がひとりで育てているのではなく
周囲の人の思いやりに触れて
温かい心を育て
健やかに大きくなったのだと
私のお腹にいたことももう実感もなくなっているほどに
君は大きくなってしまったけれど
いつの間にか
心配するほうよりされるほうのが多くなっている今日この頃でも
変わらず君には私以外の周りの助けがあって生きているんだよ
感謝の気持ち忘れずに
お母さんも忘れないから
君を大きくすること
本当に大変で苦しいこともいっぱいあったけど
それでも育てて来られたのは
お友達や周りの方たちの優しい思いのおかげだと
いつも精一杯の感謝の気持ちを忘れずに生きていくから
君も忘れないで
たくさんの人に守られた大切な命なんだってことを
大人になっても忘れないで



自由詩 ひとり Copyright 桜 歩美 2012-03-07 21:46:09
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