薄空(うすぞら)
アラガイs


「何処を見ているのか
何を苛ついているのか」

夕暮れだ、夕暮れになれば、おまえらの目が必要以上に注がれるからだ
背を屈めて歩いている (道の端は危険そのものだろう )?

母親を撲った奴はとっくに殺されちまったよ
鴨居をさすらう奴はもういない
土にへつらう悔しさをはじめて噛みしめたとき
割かれちまった後頭部はうしろを振り返ったまま、
、その場所から立ち去ろうとはしない
正門を尻目に待ち伏をする
七犯は銀の斤を担ぎ出し、(許してやる)と慰めた奴も、滑らかな手羽先の入り口でひたすらお辞儀をしている
子犬のように、おまえらも腸を抉られたじゃないか 。

空は哀しみにみちている
薄い血糊に木戸は閉めきられたままだ
引き出しを壊して、俺は何処かへ逃げた
逃げて/ 逃げて /鶏の殻になりたかった
傷口から仏が這い出して、ふさがって、苫屋の土塀辺りに苔が付く
(道端の畦にも花は咲くだろう)
求める奴もいれば、 忘れさる奴
あたまを剃れなかったぶんだけ
空はいつだって、 きれいだろう?










自由詩 薄空(うすぞら) Copyright アラガイs 2012-03-03 17:53:28
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