朝、起きたら大きな穴が体に空いていた
ぽっかり空いた穴
心臓骨肺…これって脂肪てやつかな?
でも母に聞くと何言ってるのよって頭叩かれた
どうやら私しか見えないらしい 外に出ても平然とみんな通りすぎてく

気味悪かった

でもテストあるし皆勤ひそかに狙ってたし
学校には普通に行った
カリカリ シャーペンと紙が擦れる音しかしない教室
いつものことなのになんか苦しかった
落ち着かない
手の先から冷たくなってく
チャイムがなると誰よりも一番早く席を立った

ガッチャと錆付いたドアの音 誰もいなかった 息ができた
なんか体動かしたくなってどっからか聞こえてきたラジオ体操に合わせてやってみた
やってるうちに前屈してると体の穴の向こうに
蒼い空が見えた
臓器とかグロかったけど目が離せなかった
チャイムが鳴ったのは聞こえたけど
なんか動きたくなくて…
初めて授業サボった

あとで先生にグチグチ言われたけど気分はなんかよかった

いつもどうりに帰ってテレビ見てバカ笑いして長風呂して夜更かしして三時に寝た
ジリジリ ウルサイ目覚ましを止めてゴロっと布団から這い出た
目の前の鏡をみたら
穴がなかった
思わず手で胸のあたりをまさぐった
?が頭の上を飛んでた
早く起きなさいと下から母の声
急いで階段を駆け下りた
体はなんか
軽くなった気がした
「いってきます」

蒼い空がそこにいた


散文(批評随筆小説等)Copyright  2004-12-01 18:37:52
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