ろくぶての行方
灰泥軽茶

川のほとりの

裸の枝の先に片方だけ

手袋がいろとりどり

沢山刺さっている

風が吹くといっせいに

手を振っていて

どこかで探している持ち主に

さようならと別れを惜しんでいるのか

こちらですよと見つけてほしくて呼んでいるのか

ひらひら

ひらひら

なんだか生き物のようなてぶくろだ


自由詩 ろくぶての行方 Copyright 灰泥軽茶 2012-02-28 00:13:22
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