こういう話、
めー

嫌いじゃなければ聞いてほしいんだけど。

色は光だし、輪郭は照らされている。
どんなに高い山だろうと、
そのまわりを空気の重さがさらさらと流れていく。
水平線のこちらがわ、
僕らは海の広さではなく水平線を見ている。
何かは何かの外側をすべって景色になる。
景色を言葉にするとき、
われわれはその現象を見逃してはならないと思う。
これって景色だけの話じゃないですよね。
なぜこんなに悲しいの?
なぜこんなにうれしいの?
たやすく語れないのは心が僕という景をすべっているから。
それを語らないといけないのだから、
詩人が弱視ではやっていけないと思うんだ。
見渡してみれば、
同じようで、同じ言葉などひとつもない。
そんな世界を相手にして、
比喩っていうのはひとつの逃げなのかもしれない。
けど、必要なんじゃないかなあ。
どちらにせよ僕らは、
同じ言葉で語り始めるのだから。

………だぁ。


散文(批評随筆小説等) こういう話、 Copyright めー 2012-02-27 03:38:08
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