生きることについて。
番田 


見えない路地の中を歩き回りながら、僕は、遠い街までやってきた。そこで出会う人たちの服装を脳髄に刻みつけさせられながら、ベンチで僕は、お好み焼きを食べて、自分自身の人生についてを考えあぐねていた。それは、なぜだろう。いつも街の中は孤独すぎた。出て行くことさえままならいほどに。どこかで今日は火事があったようだった。顔と顔とを見合わせて、普段話さないような人と人とが、何かを真剣に話し合っていた。一体それは、なぜなのだろう。僕は、思考の中の色々な角を曲がっていく。公園のベンチで、脱獄したばかりの死刑囚のことについてを考えていた。有名な、西海岸の刑務所から脱出したという服役囚のことについても。そうしては、僕自身の中で、世の中に価値を残したいということと、無価値のままでありたいという思いが葛藤していた。



自由詩 生きることについて。 Copyright 番田  2012-02-26 01:04:12
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