首の颯爽
アキヨシ

首切り地蔵は
首切り者ではない
雨の日には里芋の葉を誰かが乗せる
緩やかに窪んだ底部に向かって
雨粒が集まっては弾ける
首を落とされた日があった
首切り地蔵は
首切り者ではなく

首を落としたものは
人か獣か重機のたぐいか
白靄にまぎれて見えぬ

まるで見えぬ

ごとりと落ちた首はしばしそのまま土に横たわり
ついで
いつのまにか消えていた


自由詩 首の颯爽 Copyright アキヨシ 2012-02-25 00:48:41
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