冬の終点
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ゆ ゆ ゆれ ゆれる
ふ ふ ふる ふるえる

年老いたふるえ
新鮮なまばたき

新芽がふるえて
春をくすぐる

大きくゆれたのは
気のせいじゃない
なにもかもが崩れ落ちた

ぴ ぴ ぴぴ ぴぴぴ

細胞が弾けた
弾けて生まれる命もある
地面が割れた
割れて終わる生もある
母が泣いた
父が死んだ

ゆ ゆ ゆれ ゆれる
ふ ふ ふる ふるえる

太った魚は
目を赤く腫らして
泣いている
波が歌を謳っている
旅立つのだ

私は一人身震いした


自由詩 冬の終点 Copyright within 2012-02-24 14:20:25
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