雨の日
こういった


雨上がりの静寂に
何かを期待して
息を潜めた僕らを

逆上がりした後の街
何かが変化して
醜くなっていた僕らを

隠すように差した傘


右手に持つ君は
居心地悪そうに笑う


高速道路に架かる電飾
光っては消える
もうすぐ
視界の端から見えなくなって
何もない水曜日を
手渡し合う一日が始まるね

僕は不完全に思い出主義だから
君の街まで行けないよ

大切な一瞬が
溶けてしまわぬように
滲んでしまわぬように

背中合わせで泣いたら
さよならだね


雨上がりの静寂に
何かを期待して
息を潜めた僕を

隠すように降りた幕


外側で脚本にない悲劇を
君が待ってる





自由詩 雨の日 Copyright こういった 2012-02-23 01:28:44
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