あおい国
壮佑


ぼくはいつも
あおい国を探している

仕事場へ向かう朝の舗道で
灰色の敷石の
一つ一つの継ぎ目から
あおが立ち昇る

草原の朝露たちが集まって
小川になり大河になって溶けて行く
あの海原のようなあお

郵便局に続く昼の歩道で
フウの木の葉っぱの
一枚一枚のあいだから
あおが流れ出す

海原を泳ぐイルカの群れが
羽根を生やして飛び立って行く
あの大空のようなあお

夜になって
きみと囲むささやかな食卓
見てごらん窓の外では
しんしんと
あおが降り積もっている

みんな みんな
あおい国からやって来るんだ

待ち侘びた夜明けの日に
まだ生まれていないきみとぼくが
なつかしそうに出会うところ
あおい国

ぼくはいつも
探している






自由詩 あおい国 Copyright 壮佑 2012-02-22 21:04:04
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