希望と絶望のはざま
小川麻由美

皆 やんややんやとなる
ネガティブな言葉は封印され
予定調和的な空気が充満する

皆 表に見えるところは曇っていない
しかし心の奥は恐れおののいている
円を描いて座っている いびつな円

皆 何がしかの安らぎを求めてきた
しかし 自分の求めているものを
手にできる保証はどこにもない

皆 心の内を話しに来る
はずれた言葉は波紋を呼び
修正され調和の中に取り込まれる

皆 言葉の使用法を間違えると
思いもかけない 
とんでもないことになる

結局のところ あげくの果てに
苦笑いと共に その場を去る為に
汗をかいた手でドアノブを握り
その汗のせいで回らないドアノブを
回そうとする無駄な努力を
皆 しなければならない


自由詩 希望と絶望のはざま Copyright 小川麻由美 2012-02-19 20:03:36
notebook Home 戻る  過去 未来