上京
AquArium

秋風にさらわれ僕も遠くへと
飛んで行けたら楽になるかな

吐く息の白さがやけに切なくて
とける氷の儚さ重ねる

いつからか夢より君を描いてた
氷点下の夜 僕は弱くて


ーーあれほどの痛みでさえも気がつけば秋越えいつか結露になったーー


さよならを身体全部で隠しきる
じゃなきゃ君の背見つめ続ける

目の前の春の日差しが恐ろしく
魔力にも似た引力で待つ

まだ残る僅かな雪を踏み抜いて
此処で足跡繋ぐの夏まで


短歌 上京 Copyright AquArium 2012-02-18 22:17:19
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