不思議な世界 
服部 剛

この体というものは 
六十兆個の細胞がうようよと 
今も無数に分裂しているという 

私という現象は 
常に現在進行形でありまして 
服部剛はっとりごうーing」であるように 
あなたも「○○○ーing」であるという 

昔々・・・母の胎に宿った頃 
一つの細胞がありました 
その中心に核があり 
その核膜に覆われた遺伝子があり 
たった一つの細胞から 
私の命は始まりました 

細胞達はそれぞれに 
「お前は手になれ」 
「お前は足になれ」 
「僕は脳にいく」 
「私は心臓になる」 
どんどん母の胎内で分裂して 
だんだん人間という形になって 
おぎゃあ!とあの日 
生まれたのが、あなたです  

今朝、窓から日の射す 
あかるい部屋で 
父親の私の腕に抱かれ 
すやすや眠る 
生まれて半年の周ちゃんは 
目覚めて、にこり 
きらきらとした瞳を開けて  

(あぁーうぅー)と声を出し 
棚に座るプーさんの
小さい瞳とみつめあい 
不思議な会話をしています 








自由詩 不思議な世界  Copyright 服部 剛 2012-02-17 23:56:50
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