彼らの名前



寒いのに雨まで振りはじめる。





二年前に捨てた猫たちの事を思い出す。

どうにもできなかった、と言ったなら

私も誰も私を責めたりなんかしない。




目の前で息絶える小さな体

何度も小さい声で息をする

たくさんの猫が死んだんだ。



わたしは腐った人間野郎だ。

どうか私を呪ってね。





病名もわからない。ただただ

目の前で息絶えて行く彼女は

最後までしっかりと息をしていた。




どうか消えないで欲しい。

わたしは忘れない。

ごめんなさい。





雨がザーザー音を立てる。

猫が車の下で丸まっていた。








自由詩 彼らの名前 Copyright  2012-02-06 23:54:46
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