優しいひと
恋月 ぴの

今ごろ何しているのかな

きっと趣味のデジイチを首から提げて
お気に入りの被写体を求め
谷根千あたりを自転車で走り回っているのかも

そんな感じに好きなひとを想ってみる

なんか幸せなひととき
想いは決してわたしを裏切ったりしないし

ただいま

あなたの笑顔が待ち遠しい



今ごろ何を考えているのかな

きっとわたしのことだよね
通りすがりの店先でみかけたピンク色のセーター
わたしに似合うかどうか思案顔

そんな感じに好きなひとの心うちを推し量ってみる

やっぱ幸せなひととき
でもちょっと不安になってみたりする

今日は考えてくれてるとしても
明日もわたしのこと考えてくれるのかな

ひとって想うほどに他人のことに関心ないって言うし
それと釣った魚に…なんて言葉も思い出した



わたしの発した「わたし達」ってことばに
あなたは頷いてくれるけど

本音はどうしたって見えてこない
信じるから
信じてもらえるのだとしても

愛しているよって、ことばの重さは量りがたいし


ついつい余計な詮索してしまう

自信持てないんだよね
わたしのこころに
あなたのこころに

わけもなく焦るばかりで
すがる思いで差し出した手のひらに

ひとしずくの光るもの

もしかして天使の涙だったりして

お〜いって声に振り返れば

きこきこと自転車こいでるあなたの笑顔







自由詩 優しいひと Copyright 恋月 ぴの 2012-01-30 19:09:22
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