悩み相談ダイヤル
服部 剛
心の空が雲に覆われそうな時、僕は
右手に家の電話の子機を持ち
左手に携帯電話の子機を持ち
番号を押して、両耳にあてる
((もしもし))((もしもし))
自分の中の、相談役と聴き役の
片方はありのままの悩みを吐いて
片方はうん、うん、と頷く
((ごきげんよう))((ごきげんよう))
電話を切って、話す前より
いくぶん気持はすっきりとして
心の空の雲間から、仄かな陽が射す
家の電話を充電器に、置く。
携帯電話をポケットに、入れる。
相談役の自分と
聴き役の自分は
煙のように
胸の奥へすぅっと消えた
弱虫よ、震える拳を握るのだ。
瞳を閉じた前方の
さんさんと陽に照らされた
明日の土俵をじっと、観据えて
※この後携帯電話が故障したので
皆様は真似をしないようお願いします。
自由詩
悩み相談ダイヤル
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服部 剛
2012-01-23 23:55:49
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