METAPHORIC CONVERSATIONS
カワグチタケシ

君は海
冬の海
深い海
に永遠に沈みつづけるいくつもの小さな疑問符

君は海
夜の海
暗い海
に永遠に映し出されるいくつかの小さな月

降り積もる雪と
月明かりがひそかに君を照らす夜
不確かなことを見つけるために君は旅に出る

今夜もまたひどくあいまいな会話に疲れた俺は
君が去ったホームで一人 落ちては溶ける雪を見ていた

俺たちは時間
経過する時間そのもの
ただたとえようもなく経過していく

例えば真夏のビーチの嬌声や
君たちの優しげな呼びかけや
錠前の数をかぞえる娘たちや
多くの旅人たちが辿った道や

いつまでたっても裏返りつづけるばかりだけれど
想い出はいつも美しい言葉で語られるのを待っているから

君は海
冬の海
深い海
に永遠に沈みつづけるいくつもの小さな疑問符


Contains sample from F.Okuno


自由詩 METAPHORIC CONVERSATIONS Copyright カワグチタケシ 2012-01-22 11:37:18
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