Joy to the World
ねことら





募金箱がきらい。
とおりすぎると、なにかに加担してしまった気がするから。
わたしたちはいつも試されている。善意というものはデリケートだ。


セックスのあと、マクドナルドでハンバーガーたべた。
ビッグアメリカキャンペーンで、いまの期間はグランドキャニオンバーガーっていう、
ぶあついビーフパテ入りのやつだった。すんごいデコラティブ。


くちびるにソースをつけて、きみはもくもくとのみこんでいく。
店内はかぞくづれで混雑してて、きらきらにぎやかで、
わたしたちふたりだけがぼんやりしてる。
アメリカはここからあまりに遠い。


いいセックスもわるいセックスもないと思うけど、不倫のあじはなんだか希薄だ。
せまいビンのなかの空気を吸いあいっこしてる感じ。
どんどんこうふくの許容量はたりなくなってく。
罰かもしんないし、それでいいとおもってる。
わたしたちは、いつもすこしつかれてる。


こんど温泉いこう。たべおわってうつむきながらきみがいう。
窓の外は雨まじりのおもたそうな雪。
それって冬のこと?春のこと?わたしたちに「こんど」はあるんだろうか。
だまって、いつまでも窓の外をみつめていた。


わたしたちは試されている。
立ちどまるか通りすぎるか。
通りすぎるなら、代価ははらわなくちゃいけない。
このながいながい道のどこかで。








自由詩 Joy to the World Copyright ねことら 2012-01-15 23:03:54
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