今と未来
凪 ちひろ

肌の具合がよろしくない
節約の名のもとけちられた 安い化粧水のためか
二十代も後半の衰えのためか
鏡をのぞくと気が焦る
わたしは後 どれだけのことができるだろうと

前だけ見て 今を満喫しない生き方は
ときに滑稽に見えるだろう
けれども子どものときから身に付いてしまったこの癖は
無理に今だけを楽しもうとすると
ゆるゆると胸を 不安でしめつけていくのだ

心の中にある悪感情を 不安を 熱を
ごまかすことはできない
いつも真っ直ぐに
ただじっと見つめる
そうすると 自分の進むべき道が
おぼろげながらも見えてくる

わたしはこれからも苦しむだろう
おそらく満たされない時の方が多いだろう
それでも蓋をしてしまうことの方が
余程今より辛いのだ


自由詩 今と未来 Copyright 凪 ちひろ 2012-01-10 22:50:33
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