浩一

月が出ている
心のように
かがやいている
孤独のように。

いかがわしい
界隈の
いやらしい曲り角で
片手に
手斧をもった
ドストイエフスキーにであった

「もう何年も
 誰とも話をしていないんだ」

「へえ そうかい」

奇遇というものはあるもんだ。

月が出ている
闇をあつめて
橋のうえに いっぽんの
外灯が立っている。


自由詩Copyright 浩一 2012-01-05 16:19:40
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