赤き液体
藤鈴呼

薔薇を一本へし折って
哀しい頬を 拭おうと
そっと触れたら其の刹那
赤い液体 流れたの

アナタ わたしを 眺めては
何て卑怯な人なのと
攻める口調で 喚きたて
私は 棘で 茨を作る

あなたが 二度と 入れぬように
鉄柵錠より 堅い絆を
取り戻したいと 啼きながら
啄ばむ鳥から もぎ取った

実を潰しては 棘を合わせる
ノリの代わりに 実を詰める
身は永らえる 祈りつつ
もう一度だけ 薔薇翳す

今度はアナタの笑顔だけ
ちりばめたいと 願いつつ
鮮やか色の 花びらを
あなたの周りに 描く それだけ

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自由詩 赤き液体 Copyright 藤鈴呼 2011-12-25 21:59:46
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