ゆるやかだった夏
subaru★

遙かぶりだった信濃路
そこはペダルが都会よりも
緩やかに漕げる

遠慮してくれる
夏の日差しが
あなたの気配りよりも優しかった

裏庭の沼に急ぐ鴨の親子は
人間との僅かながらの境界線を作って
それなりに気を使いながら暮らしている

今思えば 夏の日差しも
あの場所では遠慮してくれてたのかな

今は寒いのに
あの場所を思えば思う程
人肌の温もりが

目の前にある
賑わいの街よりも感じてしまう

また出会えるかもね
また 会いたいね
あなたよりも優しい夏に




遙かぶり・・・ 長野県の方言で『お久しぶり』



自由詩 ゆるやかだった夏 Copyright subaru★ 2011-12-25 19:30:50
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十二月のうた