イブ
乱太郎


白い粉雪が下りてきて
語りかける君からの言づけ
星の数より多くて
願い星が一瞬瞬いたのさえ
逃してしまった

君はいつも大事な事を
僕には伝えない
笑ってごまかして
掌の温もりだけ置いていく
こんなにも多く降らしているのに

今日は
クリスマス・イヴ
一緒にシャンパンのコルク抜いて
それは夢物語りでしかない
僕らの間柄

今夜だけは
雪の精になった君を受け取めよう
六角形の贈り物
大事なのは
君がいま生きていること
僕の掌で溶けていく

静まり返る街に
赤いサンタクロースが
君のつぶやきを
止むことなく降らしている


自由詩 イブ Copyright 乱太郎 2011-12-24 14:05:31
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