rainy face
Akari Chika

あなたのひと肌に触れて
撥ねる

私はきっと今 雨のような顔をしているでしょう

笑うのは難しい
誰が側にいても
部屋の明かりを灯す一瞬で
自分がどんな人間なのか分かってしまう

凍る声
受話器は無数の星で出来ていると思う、
この小さな機器の中に
私の言葉が響くのね
そしてあなたの言葉が返って来る
ふたつの声が重なって
ひとつの星が生まれる

こっちを見て
私は今 雨のような顔をしているでしょう
でもこの雨は冷たくない、
多分暖かな手を握りしめているから

空模様に振り回される疲れから解放されたら
人間はもっと素晴らしいものになれるかしら
それともまた新しい悩みを見つけて
泣く理由を探しては喜ぶのかしら

ね、
外にいるのに家にいるみたいな気分になったときがいちばん困る
だって泣いて良いよって言われているみたい
それがいちばん困る
私は今 どんな顔をしてる?
まだ雨みたいな顔をしてる?
まだ恐れているって顔してる?
すごく頑張って表情をつくったら
あなたは褒めてくれる?
私は自分を嫌い
それ以外の事実はないの
でもあなたが好き
私は今のままで良い?
きっと良いよね
だって窓の外を見てよ







雨が降っている



自由詩 rainy face Copyright Akari Chika 2011-12-16 01:15:40
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