思い出のハーフムーン
ぶらっくす たん

神様が人に淋しいなんて感情を与えたのは何のため?


あの月の欠けてしまった半分は、どこにいってしまったんだろうね



伝わらない想いがいくらでもそこにあるんじゃないかって思えるような夜空に無数の星が今日も輝いてる


素直じゃない人たちの塊そこに見いだしてる








楽しい思い出がひとつ増える度にまたひとつ淋しさが募る


過去になってゆく淋しさが。




欠けてゆく

残りの半分が泣いているように見えた




去ってゆく昨日に覆い被さってゆく新しい時間




誰もが歩いてるんだろうね


そして
見えなくなってゆくんだ

もしくは
淋しくないように
目を反らしているだけ








ずっとこのままで
ずっとこのままで
ずっとこのままで



「駄目だよ
それはできないよ」



残りの半分が力なく笑って言う




駄目だよ


なぜなら


明日がなくなってしまうから





駄目だよ





それはできないよ

どんな理由があっても

できないよ








なぜなら明日からのほうが大事かもしれないから







神様が淋しいという感情を人に与えたのは

ただ思い出したいときに
思い出させるためだろうか


それとも忘れたらいけないこと忘れないようにするためだろうか




欠けてしまった残りの半分



夜空に
探してばかりで



頭の中では
わかっているのに



探してばかりで。












自由詩 思い出のハーフムーン Copyright ぶらっくす たん 2011-12-06 01:22:37
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