そのこえ
……とある蛙
生まれた時から
その声はいつもこう尋ねる
右か左かどっちなんだ
だから、生まれた時からいつも決断して来た
その結果がどうであろうと決断しなければ進まない
そのつどそのつど決断した。
思ったほど悪くないと思っていたが
結局は悪い決着で、
お土産としてたくさんの後悔と涙
地団太踏んだ悔しさと悔し涙とあきらめと
さらには悲しい絶望と
余計なことだが
最初から
そう最初から
あの声を聞いた最初から
いつも要領が悪いため
中途半端な決着で
なかなか抜けられない勘違い
落ち葉の季節に勘違い
この勘違いを箇条書き
事細かに箇条書き
書けば恐らく違う また違う
違う決着をつけたろう
目先の楽の積み重ね
最後に溜まる苦労
そのまま大きな苦労
結局そこに繋がるのか
結局そこに繋がっているのだ。
もっとも最初からどん底で
鳶色のセーターは何年も冬場のトレードマーク。
結局、今日も鳶色のセーターを大事に着ているのだ。
今でもたびたび聞こえてくる
その声はいつも俺に尋ねている
右か左かどちらにする。
時々面倒になって聞こえない
聞こえない振りをするのだ。