Opus i <ffffff>
徐 悠史郎
それでも闇は………………浦にたたずむ
…………しろがね/くろがね
(犬の…………
みる
、
……………………、 と、………………、…………、
最後の一羽をのぞいて)
鳥はやがて すべて自らの羽ばたきの裏に向けて渡っていく
広大な冬ののち
いま一度かれら あいまみえるとき
それらのくちばしの鋭度は
もう落日の方向を夢にみている
眼(敷かれた石の)
子午線で(燃えた)
停止した(泥)
眼球(だから影はそのものに重なり
みえなくなる さざめく
霧、マジェスティク
13(使徒 桐
あめ、
、つ、 あめちぎる(音
い
ぬ (ついばむ)
樹 マジェスティク/樹。像が途絶えて・丘へとのびる
北壁、咄嗟の
泡。 肌から夜へエコーする音は
鳥たちに啄ばまれ
ている …… )
(それでも闇は
…………しロがね/くロがね…………
(浦、のくち
語りべの
手のひらに刻まれた
文字………………
………………レ(その音は
語りはじめる)
………………この私のつとめ、
すでに不幸であること
朝が終りを告げ
在るという闇に光はたちかえる
さざめく霧
背後に切り開かれた入口
光芒……あなた以前にあったもの
それは既に葬られた
土に土のようにして盛られた
ありとある私の
あなたの腐臭(いき………………
あ、 なた の
鳥、……………………
受精、……………………
、……雨。
視界の頂きに群れる鳥たちが
その様子を注視している
やがて囁き声で一羽が祈りを唱え
それを合図に鳥たちは一斉に浦をめざして飛び立つ
ただ一羽 最後の
盲いたものを残して。
声
「ただひとつの (そのものは
音を求めよ (となえる
風 (ひらいた目の口で
創られたもの (なにも指し示さずに
そのうちに……………鳥はなにものも目指して
はばたき 飛び去る
恵みの前・後の土のうえに
かすかな爪痕をのこして
それは文字となる
文字…… …爪… と ……)(痕
、犬)
とおくで
(床)ゆか いっぱいの
眼
虫たちの
いっせいのまばたき・みひらき(それでも闇は
俯瞰する午後 きみの背中に
影を象ろうと
……………………子
……………………虚
、く(血)…………。
蝶が名をかえて胸の中を透いていくとき、かしいだ音の
疎外(口、ち)、
雨は、13…月の沼に立ち尽くしていた
ひ、つき(いる/
まな、つき(い/
くぐ、みつき(さむ/
え はむつき(さ/
かや、ほんとうの
ことをいおう おウォる 街は人たちの肉でいっぱい
ぴの雨でいっぱい
あなたの遅れた悲鳴でいっぱい
なび、せ なび (みどりの豆の
花にとまるな)街かげにひっそり立ち尽くした
はぬるは
……せ せ なびや……はなばなと
夢をくぐるようにして
無心に越境する
っこっ、こっ(と)こえの
しろかった花の分泌/まっすぐな髪の
分かれ目、草原と空の
わかれめへと
空白の大地を塗りこめる(それでも
闇は浦にたたずみ …… )それでも闇は
浦にたたずみ
いまいちど枯れた樹木に芽ぶきを接木しようと……
遠吠えする犬と霧。高層建築の
萌えた大脳、ひり
文字は岩礁に刻まれている そこからは見えない……
呼び止められた四足の獣は
「何」に似ることなく
私のように
ぜろ、
萌えきった芽に啄ばまれていく……
(だから言語野いっぱいに 脳
とおく・はざま
ページと砂の合い間で
すべての片翼の鳥は(いま)
一本の線になった
咽喉の奥に突き出た
ペニンシュラ、視界の
横に 灰色の
塩でできたトルソと
並列に。(上空で鳥たち
(の在りし日の嘴が
(世界線を俯角に越えて
(壁 咄嗟のめまい、死火山
……………………、 と、………………、)
闇から
膜へ
うら、に敷き詰められた眼球の高い稜線を
かすれた手がくぐり抜けていく
きみの肉字体/半島 地に堕ちた芽吹き
「生まれたときに挿された」
を硬く 手に。