冬へと装いする君
do_pi_can

装いする君
を想う

春待つ君の

「ほら,あれ」
と,指差す
「あそこ,少し透明でしょ」
僕にはわからない
言われてみれば,そこだけ,雲が少し動いたような

そこに既に冬がいるらしい
僕には,気持ち冷たい小雨を落す
薄い雨雲の端にしか見えない

傘もささずにベンチにいて
水鳥の泳ぐのを見ている
傘をさしてパンを放る男

気配は確かに
ある
装いする君の心
を想う

冬の気配を感じながら
小雨の中にいる


自由詩 冬へと装いする君 Copyright do_pi_can 2003-10-20 00:50:17
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