なす顔
灰泥軽茶

なす顔の君はおっとりとして

喋るのもたどたどしいから

笑みがこぼれてしまう

本当は嫌なこともいっぱいあるだろうに

けれどそのなす顔で私は気づかされ

嫌なことも忘れ

笑みがこぼれてしまうのだよ

けれんみたっぷりの広告を眺めるなす顔の君は

本当のことも嘘のことも全部呑み込んでしまって

平らにしてしまう

そんな力があるようなないような

可笑しな顔をしているから

笑みがこぼれてしまうよ


自由詩 なす顔 Copyright 灰泥軽茶 2011-11-21 23:35:40
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