毛色
salco

のぞみ126東京行き
名古屋から乗り込んだデカ目と太目
ジョーシとブカは帰路を本部長の噂
子のサッカークラブ
プロジェクトと社長の意向
途切れがない
そして同時に立ち上がり
喫煙ルームへ連れ立つ、
あ・うんの呼吸
しかる後はあ・はいの呼吸
力づく連帯の手枷にもはや
ストレスも感じない


斜め前には
ネイビーブルーのボーダーポロに
釣り人みたいなキャップを被り
ナイロンのボストンバッグを足元に
マナーモードにせず何度も取り落とす、
ケータイにかかって来る分すべて出る
赤黒く酒焼けしたおっさん
にわかせんべいの意匠そっくりな目で
一席置いたユースケ・サンタマリア似に
話しかけてはガン無視され、
それで再び眠り込んではアーとかウーとか
大寝言を吐いて目を覚ます
このおっさん以外の乗客は
半ばロボットなのだろう


自由詩 毛色 Copyright salco 2011-11-19 21:24:26
notebook Home