トマトの血
灰泥軽茶

トマトはなぜにそれほど

鮮烈に赤く染めているのだろう

緑のへたさえ惜しいほどの鮮烈さ

皮一枚隔ててみずみずしさをほとばしらせ

片手で宙に放りなげれば

それは美しく光を放ち

私には血が流れている

トマトのような鮮烈な

血が流れているのだと

思い知らされる



自由詩 トマトの血 Copyright 灰泥軽茶 2011-11-19 01:57:13
notebook Home